茨木市に行ってきました。
こちらを訪れたのは実のところ今回が初めてで、 予定の合間に1時間ほど駅周辺をぼちぼちと歩いてみました。これがなかなかの見所づくしといいますか、足と視線を留めるほかないスポットが目白押しで、ビバ茨木な喜びで心が満たされた逗留となりました。本ブログは京都の名を冠していますが、ブログ開設早々に京都から飛び出して茨木のまち案内をお許しいただけたら。茨木の魅力をしばしご堪能ください。
京都から茨木へは阪急烏丸駅から特急に乗って20数分、阪急沿線の人情味あるまちなみや変化に富む自然景観を車窓から楽しみながらの道行きです。ここで以前からの希望なのですが、阪急沿線を京阪特急で流してみたい。沿線風景はバラエティ豊かな阪急、電車本体はラグジュアリーな京阪特急がかねてからお気に入りでして、阪急と京阪が恩讐をこえて世紀の握手をと心待ちにしている次第です。
そんなことをいつものごとくぼやっと考えているうちに、阪急茨木市駅に到着。こちらの駅は初めての下車です。意外というか、かなりの都会。茨木市駅前は人出も多く、数多くの商店がお客でにぎわっていました。
■ 茨木は都会だよ。 |
■ 茨木別院、本堂の大屋根 |
真宗大谷派(東本願寺)茨木別院
茨木別院は真宗大谷派(東本願寺)別院として400年以上に渡って、北摂地域における教化の拠点となっています。 大阪教区第10組・第11組の寺院が崇敬寺院となっています。 ...
通りから見えていた大きな屋根は本堂。江戸初期に創建の本堂が大破後、宝暦7年(1763年)に再建が開始、天保7年(1836年)頃に完成した建築だそうです。規模は正面15間(27m)、奥行14間(25m)。茨木市をふくむ北摂地域では、おそらく最大級の仏堂建築でしょう。
本堂大屋根の破風には、巨大な鳳凰の彫像も飾られていました。とても精巧なつくりで、美しい造形の鳳凰ですね。これはよいものを見せていただきました。実物は非常に大きなサイズで大屋根ともども見上げるような偉容を誇っています。これはいい。いいですね。
■ 本堂屋根破風の巨大鳳凰。 |
城郭情報部-太鼓楼について(城郭伽藍)寺内町
浄土真宗系の寺院には、鐘楼の他に太鼓楼(太鼓堂というところもある)をもつ寺院がある。代表的な寺院は、愛知県安城市の本証寺や京都の西本願寺である。中でも本証寺は三河一向一揆の拠点となり、今でも寺の周囲に ...
■ 境内隅に太鼓楼を発見! |
茨木別院の太鼓楼は境内北東隅に位置しており、ややもすれば見過ごしてしまうような存在ですがこちらもなかなかの偉容を誇っています。せっかくですので近くに寄ってみましょう。
■ 太鼓楼を近くまで。 |
■ 太鼓楼をさらにアップ。 |
■ ゴージャスな梅林寺。 |
薬医門形式の表門と寄棟造りの本堂は、両方ともに屋根は本瓦葺。さらに表門の屋根には一対の鯱。後ろの本堂にも鯱。小さな規模ではあるけれど、やけにゴージャス感あふれるお寺です。
梅林寺
茨木にあるお寺。梅林寺についてのぺいじです。 見当違いだったわという方も、よかったらどうぞ。 茨木駅の近くにある梅の香るお寺。 そのお寺はこんなに歴史があったんです。 ...
現地での感動は、なんといっても表門の屋根!屋根の瓦に注目。表門屋根は今しも瓦祭りが絶賛開催中でした。獅子が跳ね、鬼瓦が吠え、鯱がにらむ。これぞまさに瓦フェスティバル。視界いっぱいに、特徴ある瓦が押し寄せてきます。職人技を堪能するとともに、建立当時のクライアントたるお寺のご趣味にも拍手を送りたい。ビバ瓦。ビバ梅林寺。
■ 獅子と鬼瓦そして鯱、瓦祭りです。 |
「東宮殿下御假泊聖蹟」と刻まれてきました。建立銘は明治44年(1911年)、明治天皇崩御そして大正改元(1912年)の一年前に建てられた石碑です。東宮殿下(皇太子)とはもちろん、その後の大正天皇。門前の石碑は、明治末年に皇太子時代の大正天皇がこちらに宿泊されたモニュメントでした。
■ 明治末、皇太子宿泊の石碑。 |
ゴージャスな屋根瓦とゴージャスなメモリーをともに備えた表門を後にして、さらに梅林寺の周囲を見てみました。
■ 梅林寺の周囲にはレンガ塀。 |
■ アールのついたレンガ塀コーナー。 |
■ 掘割かもしれない溝。 |
近代より前の時代、地域の中心寺院の周囲には往々にして掘割がめぐっていました。戦乱相次ぐ中世には防御用の堀として。平和が続いた近世には寺院の区画用の溝として。こちらの側溝も、あるいはこうした掘割の痕跡であるような、ないような。いやそうであってほしい。市井の掘割ファンの一人としてはそのように願うばかりです。
こんな感じでビバ茨木な風景を、まずは駅前から茨木別院そして梅林寺まで、今回はご紹介しました。
次回はいよいよビバ茨木の旅(中編)、「茨木城編」です。
小学校の校門に再現された城門(しかし若干疑問の残る門)、そして神社の門に移築転用された城門(みんな大好き移築物件)、さらに旧河道など、こちらも見どころ多めなコンテンツです。
さらに次の後編では、「商店街探索編」として阪急本通商店街を起点に、そこから網の目状に広がるアーケード街をご案内。21世紀現在もなお賑わい続ける商店街の様子、みんな大好き看板建築、うだつの上がった町家、関西テイスト満載な立ち食いうどん屋、そして謎の水路など、商店街ウォッチングを予定しています。ビバ茨木シリーズ、最後までどうぞお楽しみに。
■ 今回の記事でご案内したエリアはマップで確認してみてくださいね。
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